自治体医療政策ご担当者様
地域医療維持に尽力されている皆様

いつも大変お世話になっております。
一般社団法人 信州医療開発(SMI)の今井です。

長野県オンライン診療研究会へのお申込みや、つながりをいただき誠にありがとうございます。

SMI通信を通じてオンライン診療に関する「他では聞けない現場の裏側」や「制度改正の具体的なつっこんだ内容」を定期的に配信しています。

■ 過去配信 (SMI通信 アーカイブ)

 図解付き解説はHP版をご覧ください。

 メールより読みやすいです。

 

■過去の研究会アーカイブ動画

 第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回

前回の配信では、医療法改正によって
オンライン診療が「正規のインフラ」となった点をお伝えしました。今回は、「お金(診療報酬)」の話をお届けします。

面倒くさくて儲からない

まず、結論から申し上げます。
ほとんどの医療機関がオンライン診療を提供していません。

その理由は
・実態を知らない
・面倒くさい
・儲からない

ことです。

オンライン診療は面倒くさくて儲からない
これは真実です。

1000件以上のオンライン診療を実施してきた私は、
誰よりもこの「割の合わなさ」を痛感しながら実施し続けています。

ではなぜわれわれは儲かりもしないオンライン診療を続けているか。

それは
日本の医療を維持するために、将来欠かせないツールになる」
と確信
しているからです。

うどんに例えて

オンライン診療の割の合わなさをうどんに例えます。

保険診療では初診料・再診療などの
いわゆるかけうどん代が基本売り上げになります。

ここに、「〇〇加算」「〇〇管理料」「〇〇検査代」「レントゲン代」などの
かき揚げや天ぷらをどんどん乗せて請求するのが
診療所の報酬形態です。

一方これがオンライン診療だとどうでしょう。
・初めましてのうどん代(初診料)が対面診療より安い
・乗せてはいけない(算定できない)天ぷらが多い
・乗せてもいいかき揚げ代が対面診療より安い
・当然オンライン診療だと検査やレントゲンは提供できない
となってしまいます。

つまり
うどん提供の環境づくりが面倒で高コストな上、
提供できるうどんの単価が低い

という状況です。

こんな「面倒で安いうどん=オンライン診療」、
普通だれもやりません
よね。

それでも、それでもですよ、
このオンライン診療に頼らざるを得ない世界になりつつあるのです。

特にへき地においては、「無医村待ったなしエリア」が多いのです。


究極に儲からないうどん


山間部や離島など、極端に医療資源が少ないエリアが全国に多数あります。
こういった地域で医療を維持するために有望視されているのがD to P with Nです。

そして悲しいかな、
このD to P with Nこそが「究極に儲からない(採算性が悪い)うどん」
なのです。

・機器とオペレーションを導入して
・面倒な届出を出して、
・看護師を配置して、
・対面診療の時間を削って
・場合によっては、専用の車まで準備して、
・看護師が患者の元を訪問して、
オンライン診療を提供するシーン(D to P with Nですね)を想像してみてください。
本当に本当に手間と費用がかかりますよね。

そしてこの大変なD to P with Nに対する対価は
2年前まではずっと診療報酬上0円でした。


診療報酬「5倍」の意味

永らく0円査定だったD to P with Nですが、
2024年度診療報酬改定で「D to P with N加算:50点」が新設されました。
50点=500円です。
わずか500円ですが、やっと国が評価してくれたと
われわれは沸き立ちました(やったー?)。

そして
2026年度診療報酬改定で、この50点が265点にアップしました(!!)。
5倍以上です。

医療費削減、診療報酬減点基調の中、
診療報酬改定で5倍以上の伸び
を見せる項目は他にありません。

現場からすると2650円でも全然足りない
というのが現場の本音ですが、

それでもこれは
国がオンライン診療の必要性を強く認識している
ことを意味しています。

面倒で儲からなくて制限のあるオンライン診療に
頼らないと日本の医療を維持できなくなる
と考えているのです。

これほどの大盤振る舞いは、他には見当たりません。
国の危機感の現れに他なりません。


地域医療と長期展望

国が見ている方向性は「大手事業者のパッケージ導入」ではありません。

それでも複数の自治体で、オンライン診療パッケージ導入が進んでいます。
この事業には一定の意味合いを持ちますが、
自治体がこれを導入する裏の事情があります。
それは、現場の汗をかく設計を避けた『逃げの選択』かもしれません。
これについても追って記事にいたします。 
(急ぎ知りたい方は個別にご連絡ください)


いかがでしたでしょうか?
オンライン診療の割に合わなさをうどんに例えて説明いたしました。

今後は

  • 「オンライン診療受診施設」の考え方と実際
  • オンライン診療や地域医療にまつわるトピックの解説と私見
  • なぜ地方自治体が首都圏事業者に頼るのか
  • 医療MaaSのオモテとウラ
    などなどお送りしてまいります

■ 取り上げてほしいトピック(要望フォーム

■オンライン診療などお問合せ

  • オンライン診療を1から教えてほしい
  • オンライン診療受診施設って?
  • 導入までの道筋が見えない
  • 他地域の取り組みを知りたい
  • 費用対効果が気になる
  • 〇〇先生が辞めたら無医村になっちゃう
  • 複数の診療所維持がもう限界
  • 現状無医地区になってしまっている
  • ぶっちゃけたところどうなの?

 など困りではありませんか? お気軽にご相談ください。

***************************************************************

一般社団法人 信州医療開発

代表理事 今井紳一郎(Facebook

〒399-0737 長野県塩尻市大門八番町1−28 スナバ

ウェブサイト|https://smi-nagano.jp

e-mail|simai@smi-nagano.jp

***************************************************************